ラマダーンは大変です。

  • 2010/11/18(木) 04:20:06

<現在、モロッコ・マラケシュにいます。
 KAOが風邪ひいて熱出しましたが、だいぶ良くなりました。>
*2010年8月30日〜31日の日記*


やっとモロッコに入りましたよー。
あ、KAOのお姉さんのブログ『毎日 HAPPY 犬 曜日』でエジプト編の連載が始まったようです。
ボクらが書くまで(数ヵ月後になる予定)待てない!って方はそちらをどうぞ。



さぁ、今回から中東編です。

まずはトルコ国境近くの街アンタクヤからシリアアレッポという街へと向かいます。
アンタクヤのオトガルを出たバスは1時間ほどで国境に到着。

いつものようにトルコ側の出国審査はあっさり終了。
で、問題はシリア側の入国審査です。
現在、日本人はシリア入国に際してビザを取得する必要があります。
国境で2週間有効のツーリストビザ(24USD)を入手することが可能なのですが、ここでの係員の手際が非常に悪いらしく、下手すると4時間とか5時間とか待たされることもあるとのこと。
その場合、バスにおいて行かれることになり、いろいろと面倒なことになります。
ボクらもおいて行かれることを覚悟していたのですが…。
バスの運転手が思いの外働き者でして。
ボクらを連れてあっちの窓口こっちの窓口と一生懸命になって手を焼いてくれたおかげで、1時間もかからずにビザを手に入れることができました。
ありがたやー。

あ、参考までに旅人向け情報。
ボクらが通過した時点で、このアンタクヤ〜アレッポ国境ではトランジットビザ(8USD)は取得できませんでした。
それどころか、どうやら今現在は南からも北からも陸路ではシリアに入国できないとの噂。
突然どうしちゃったんでしょうねぇ。
特に情勢が変化したような話は聞いていないのですが…。
何があったのでしょう。


というわけで、無事シリアに入国!
ボクらにとって26ヶ国目となりました。
アラブ語ではスーリア、正式名称はシリア・アラブ共和国。
通貨単位はシリア・ポンド(SP)で1SPは約2円です。


ここからいわゆる中東と呼ばれる地域へと突入します。
みなさんはシリアやレバノン、ヨルダン、そしてイスラエルという国の名前を聞くとどんなイメージを抱くでしょうか。
以前ボクらが訪れたイラン同様、マイナスのイメージを浮かべる方の方が多いのではないでしょうか。
危なそう、いっつも戦争してそう、テロリストがいっぱいいそう…。
事実、西アジアに位置するこの地域はヨーロッパ、アジア、アフリカ大陸の十字路に存在していることから、様々な支配者の野望の下にさらされて、世界でも稀に見る激動の歴史をくぐり抜けてきました。
残念ながら、日本においての中東情勢の報道はアメリカの影響を強く受けているため、我々日本人が日々受け取る情報はアメリカ寄りにならざるを得ず、中東は大変物騒な場所で、これらの国はテロリスト国家である、というような偏った認識になりがちです。
もちろんそういった面が全く無いとまでは言いませんが、この土地の人々は何も好戦的な国民性を持っているわけではありません。
ボクらのブログから、これらの国々の魅力が少しでも伝わるといいのですが。


というわけで。
国境から2時間ほどで、首都ダマスカスに続くシリア第2の都市アレッポに到着。
バスターミナルから程近い安宿街で何軒か見てみた結果、Hotel Alragdanというところに泊まることにしました。
エアコン・シャワー・冷蔵庫付きのツインルームで1泊800SP(約1600円)。
まずまず。

腹減ったーというわけで、街へ出てみました。
って、実はこの時ラマダーン中でした。

ラマダーンとは何ぞや。
…面倒なのでWikipediaか何かで調べて下さい。
だいぶアバウトに言えばイスラム暦の9月にあたる断食月のことで、イスラム教徒はこの1ヶ月間、日の出から日没までの間、飲食を絶たねばなりません(一応今年は8月11日〜9月9日ということになっているが、正確にはよくわからず)。
水はもちろん、唾を飲み込むのもダメらしい。
タバコもご法度です。

…っていうのはあくまでも建前で、同じイスラム教でも国や地域によってだいぶ厳しさ、ユルさが違うようです。
例えばトルコのイスタンブールや地中海沿岸の観光客が多い都市なんかでは、ラマダーンの気配は全く感じられませんでした。
それにどの程度実行するかは、個人によっても違うようです。

しかし、ここシリアは比較的厳しい国とのこと。
ということは…飯が食えないかも。
…と、思いきや。


普通に開いている食堂を発見(確かに開いている食堂は少ない)。
肉や野菜の煮込み料理とご飯。
美味い。
一緒に出てくるミントの葉っぱを一緒に食うとさらに美味いです。

店内を見渡すと…結構普通に食べてる人がいる。
どういうこと?
格好を見る限り、どう考えてもイスラム教の方々。
この人たちは何か特別な人なのでしょうか?
それとも日没が待ちきれなかった、ただのダメ人間?


あー、フレッシュジュース屋さんだー。
…と勢い余って買ってはみたものの、さすがにそこら辺で飲み食いしている人はいない。
もちろんイスラム教以外の人の飲食についてはとがめられないんだけど…結構気まずい。
日中、外でタバコを吸うのも気が引けちゃう感じです。


さて翌日。
まずはスークへ。


これがスークの入り口。


スークとは市場みたいなもんです。
食料品、衣料品、貴金属、雑貨などなど、何でも売っています。


ウェディングドレスまで売ってます。
大なり小なりどこの街にもスークはあると思うのですが、アレッポのスークはでかいです。
1kmほどのメインストリートがあり、それと平行して細かな路地が無数に走っています。
石屋根の迷路みたいな感じですな。


これはキャラバンサライ、隊商宿の跡です。
昔はラクダでえっちらおっちら売り物を持って来ていたわけですな。
プールみたいなのはラクダの水飲み場の跡かと思われます。


スークの北側にあるグレート・モスク(ジャミア・ザカリーエ)です。
8世紀に造られたものだそうな。
このモスクに入る時、男性はすんなりでしたが、女性はイスラム的な格好をしろとのこと。
で、貸し出された(有料)ものを着たところ…


…えーっと、誰?
カオナシさんですか?

さて。
気を取り直して、この日のメインイベントであるアレッポ城へ。


ででーんと見えてきたのがアレッポ城

…休みでやんの。

また明日来ましょうか。
とぼとぼと宿の方へ引き返しました。


どけどけどけどけー。


安くしとくぜっ。


シリア人も肩がこる。

この日はこの後、ATM探しに奔走しました。
シリアではあちこちにATMがあるものの、かなりの確率で現金が下ろせません。
VISAって書いてあるのに、VISAが使えないのです。
結局この日は6台くらい渡り歩いた挙句、現金を手にすることが出来ませんでした。
次の街に期待。
(ちなみに『audi』という銀行のATMではいつも金が下ろせましたよ。)


ラマダーン中特有の光景をお目にかけましょう。


日中の街なかの通りの様子。
ま、普通に混雑しています。
それが夕方が近づくと、ものすごい混みっぷりになります。
クラクションの洪水です。
そして日没直前になると…


こうなります。
全然車が走っていない。
先ほども書いたように、ラマダーン中は完全に断食するわけではなく、日没後から日の出までは食事を取ることができます。
つまりみんなどこへ行ってしまったかというと、食堂もしくは自宅で食卓についているのです。
夕方のものすごいラッシュは、飯の時間に間に合うように一目散に引き上げるからなのです。
そりゃ、クラクション鳴らしまくるわな。
日没直前に食堂の前を通りかかると、テーブルについておあずけ状態の人々を見ることができます。
そして日没の合図(アザーンとか)と同時に、一斉に食い物に取り掛かるわけです。
よって日没直後の食堂は(店員も含めて)まるで戦場のようでした。

ボクらもそんなシリア人たちに紛れて…


こんなものや…


こんなものを食べてました。
イスラム圏は基本的には肉食ですな。

そして夕食の時間が過ぎると、なんだか街の雰囲気が変わります。
って、そりゃそうだよな。
みんな1日中空腹だったところに、がっつり食い物を詰め込んだ人々であふれているわけだから。
街全体が和やかな感じになった気がしました。
みんなあちこちで笑いながらタバコふかしたり、アイス食ったり。
ああいう姿を見ると、今日も一日後苦労さんでした、と声をかけたくなってしまいました。

ちなみにラマダン中は腹が減っているということもあるし、一旦日の出前に起きて食事を取るせいで寝不足だということもあって、日中はみんなものすごく仕事の作業効率が悪いです。
ですっていうか、そういう気がします。
午前中閉まってる店も多いです。
ま、そりゃそうだわな。

それにしても、日中食堂で働いてる人ってどんな気分なんだろう…。

[PON]