地球で最も高い場所〜チベットツアーその1。

  • 2010/05/05(水) 01:44:18

<現在、ネパール・カトマンドゥにいます。ふたりとも健康です。>
*2010年4月24日〜25日の日記*


さて。
2010年4月24日、楽しみにしていた8泊9日チベットツアーの始まりです。

〜ツアー1日目(4月24日)〜

朝6時過ぎ、2台のバスに分乗してカトマンドゥKathmanduの街を出発。ツアー客はボクら日本人以外にも韓国、中国(香港)、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、ノルウェー、メキシコ、アルゼンチンなどと実にバラエティーに富んでいました。ちなみに日本人はボクら2人以外には以前紹介したSさん(この旅で4度目の再会)の3人だけでした。



途中で朝食タイムをはさみ(←宿泊費と朝食はツアー料金に含まれている)山道を走ること約4時間、国境の街コダリKodariに到着。イミグレーションで無事出国手続きを終え、5分ほど坂を上るとネパール=中国国境の橋があります。



橋の真ん中から左側がネパール、右側が中国です。
橋の真ん中にある国境線をはさんで両国の監視員らしき人がいるのですが、ネパール側はゆる〜い感じなのに対して中国側は今にも銃を打ってきそうな軍人さんが仁王立ち。穴の開くほどパスポートの写真と顔を見比べられました。
橋を渡りきると今度は中国側のイミグレーション。パスポートとビザチェックに関しては、ツアーだったせいか意外とあっさり通過。

いつぞやの日記にもちょっと書きましたが、現在チベット自治区に関しては自由旅行が認めらていません。ネパールから入国する場合に関して言えば、ビザは個人に対してではなく、ツアーグループに対してでしか発行されません。また他にも厳密なツアールートを申請(←ツアー会社がやってくれる)した上で発行されるチベット自治区への入域許可証(パーミット)も必要になります。原則としてはガイド同行の上でなければ行動することができず、申請したルートにない場所を訪れることも禁じられています。ラサ市内などある程度個人でうろうろできるところもありますが、史跡や寺院の中にはガイド同行でなければ入れないところもあります。かなり厳しいようですが、外国人のチベット自治区そのものへの立ち入りが禁じられていた時期もあったことを考えれば、ずいぶんましになった方ですな。

話を戻して、中国側イミグレーションでの話。
次に待ち受けていた軍隊による荷物チェックが、まぁ厳しいこと。とりあえず持っている荷物は全部開けられて、隅から隅まで見られます。ナイフなどの危険物は没収(←バスの中で忠告されていたので、ガイドさんに頼んでカトマンドゥのツアー会社へ届けてもらうことにした)。運が悪ければ、ハサミや爪切りも没収。「Free Tibet!」なんて書いてあるTシャツやチベット国旗、ダライ・ラマの写真なんかは当然没収(だけでは済まないのかもしれない)。意外なところでは、書籍関係のチェックが厳しい。ダライ・ラマ関係は当然没収。それからガイドブックなどに載っている地図も、特に中国の国境線を中心に穴の開くほどチェックされます。中国政府が認識している国境線と異なれば、没収されてしまうのです。世界中で最もスタンダードなガイドブックである『Lonely Planet』の中国版の地図には台湾が抜けているので、没収されてしまうそうです。
ボクらの持っていた日本語の小説もかなりじっくり調べられました。

最後には公安による荷物のX線検査までありました。なかなか手の込んだことで。

こうやって、やっと中国へ入国することができました。ボクらにとっては13ヶ国目です。ツアー客全員の入国審査が終わるまで待ってから(←全部で40人くらいいたのでかなりかかった)、バスで移動開始…したのですが。
そりゃあもうでこぼこ道でした。まだ未舗装でそういう道なのか、崖崩れでも起きたからそんなことになっているのかわかりませんでしたが、バスがいつ崖から転げ落ちてもおかしくないくらいでした。

そんな道を1時間ほど走って着いたダムという街でやっと昼食タイム。昼食とはいえ、既に時刻は16時頃。中国は広大な土地を持っているくせに、時刻は全て北京時間です。中国と日本の時差が1時間でネパールと日本の時差が3時間15分なので、中国に入ったとたん2時間15分も時計を進めなくてはならないため、こんな時間になってしまったわけです。チベットの辺りでは夜8時くらいでもまだまだ明るいので、不思議な感じがします。

昼食後、しばらく走ってこの日の宿泊地であるニャラムという小さな街に到着。宿は…なんとか旅館です。



えーっと、名前がわかんないんじゃなくて、ご覧の通り中国語の漢字表記に当てはまる漢字がないんで…なんとか旅館です。英語ではNga-Dhon Hotel…どっちにしても読めないですな。
部屋は5ベッドのドミトリーで、宿にシャワーはありませんでした。
とは言うものの、シャワーがあったところで浴びてなかったでしょうな。とにかくめっちゃ寒い。なにせここは標高3700m。富士山級の高さです。寒いはずだわ。カトマンドゥの標高が1300mだから、この日は一気に2400mも上がってきたことになります。この辺りから高山病の症状が出る人がいるようですが、ボクらは意外と何でもありませんでした。普段からタバコを吸って、低酸素状態に慣れてるからでしょうかね。(←そうなのか?)

ちなみにボクらは念のため、高山病の予防薬を数日間服用していました。ダイアモックス(薬品名アセタゾラミド)という薬です。日本では当然医者の処方箋がなければ購入できませんが、ネパールでは普通に薬局で買えました。しかも10錠(20回分)100Rs(約133円)と激安。ちょっと怖いですね。

あ、そういえばここでチベットツアーを考えている方へ忠告があります。

チベットツアーへはサンダルではなく靴で!←相当初歩的

ボクらはまたカトマンドゥへ帰ってくるので、ツアーに持っていく荷物をできるだけ減らすために、使わなさそうな物を宿で預かってもらうことにしました。ボクらはトレッキングシューズを持っているのですが、長期旅行者はサンダルだけで行動している人が多いのを見ているので、重い靴は置いていこう!ということにしたのですが…
甘かった
この日はまだ序の口で、この後4000m級5000m級のところに行くわけですが、そりゃあもう後悔しまくりでした。寒いのなんの。バスも暖房付いてないし。一応靴下は履いていたものの、寒いことには変わりありませんでしたね。ちなみにサンダルなんかでツアーに参加しているのはボクらだけでしたし。
みなさん、高地の寒さをなめちゃいけませんよ
ま、たぶん普通はしないと思いますが。

というわけで、この日は震えながら手早く洗顔と歯磨きだけ済ませて、がっつり厚着をして布団にくるまりました。
ちなみにボクはこの日の朝からお腹を壊していたので、夜中何度も寒い思いをしながらトイレに行く羽目になりました。腹を壊しただけでなく、危うく風邪までひくところでした。


〜ツアー2日目(4月25日)〜

朝食を食べて、宿を出発。

まず最初にバスが止まったのはLalunglaという峠。標高は5050m。バリバリの未体験ゾーンですが、多少息苦しさを感じる程度で意外と平気なもんでした。ふたりでタバコなんぞも吸ってみましたが(←本当はやるべきではない)、全く問題なし。



ヒマラヤの山々をバックにタルチョがはためきます。
チベットの空は青い



タルチョとは経文が印刷された祈祷旗で5つの色はチベット族が物質の五元素と考える地、水、火、風、空を表しているそうです。峠だけでなく、家や寺院の屋上、山の頂上、湖畔などでよく見かけます。



これはシシャパンマXishapagmaという山…だったかな。記憶が曖昧。そうだとすれば標高8027m、世界で14番目に高い山です。ちなみに8000m級の山は世界で14座しかないので、8000m級の山としては一番低い山ということになります。

そしてまたバスでしばらく走ると…



ついに見えてきました!
世界最高峰チョモランマだー!!



同じ写真で説明すると、右から順にチョ・オユーCho Oyu(8201m・世界第6位)、チョモランマChomolungmaまたはQomolangma(8844.43m・世界第1位)、マカルーMakalu(8462m・世界第5位)です。チョモランマの陰にはローツェLhotseという8516m、世界第4位の山もあります。8000m級揃い踏み。まさに世界の屋根ですな。
ちなみにいつかも書いたように、チョモランマチベット語です。標高8844.43mは2005年に中国政府によって発表された数値なのですが、ネパール政府は現在もこれらの測定結果を認定せず、公式には8848mとしているそうです。
チョモランマのあるサガルマータ国立公園(←ネパール側)は世界遺産に認定されています。直接行ったわけではありませんが、まぁ、見たということで、ボクらにとっての26個目の世界遺産ということにしちゃいます。

バスでさらに進むと…



おおぅ。



おおおおおぅ。
あのてっぺんがこの地球で一番高い場所ですよ。
正直ここまではっきりと大きく見えるとは思っていなかったので、なまら感動しました(「なまら」は北海道弁で「とても」の意味)。
先っぽの方だけちょこっと見えて、「あぁ、もしかしたらあれがそうかなー。」くらいだろうと勝手に想像していた分、感動もひとしおでした。
なまら感動したので…



はしゃいでみました。



同じく、はしゃいでみました。



それにしてもチベットの空は本当に青いですなぁ。



山のふもとに見えた小さな村。
作物も育たなさそうだし、水の確保にも困りそうだし…と他人事ながら、ちょっと心配になってしまいます。
チベットをバスで走っていると、こんな村(時にはもっと小さな村)をよく見かけます。



昼食のために寄ったオールド・ティンリー。チョモランマ・ベースキャンプへの玄関口となる街だそうです。

レストランではチベット料理であるトゥクパやタントゥクという麺料理を食べたのですが、残念ながらあまり…というか、かなり美味しくない。前日もチベット料理を食べたのですが、やはりあまり美味しくありませんでした。カトマンドゥで食べたチベット料理は非常に美味しく、日本人なら好きな味だろうなーなんて思っていたのですが…。たまたまだったのか、それともチベットでの標準的な味付けがああだったのかはわかりません。
しかしそれ以上に衝撃的なものに出会いました。
メニューにあったチベタンティーTibetan Tea(チベットのお茶)を頼んでみたところ…
うぅ、飲めない
ヤク(毛の長いウシみたいな動物)のバターをたっぷり入れたバター茶だったのです。現地の人はこのお茶で暖まると共に、カロリーを取っているそうなのですが…いや、マジでひと口以上飲めませんでした(他のツーリストも軒並み惨敗)。ごめんなさい。暫定ではありますが、この旅で一番美味しくなかったものNo.1に認定したいと思います。あまりの衝撃に、写真撮るのすら忘れちゃいました。

現地ではできるだけ現地のものを食べることにしている我々ですが、チベット料理といいチベタンティーといい、この時点でかなりの暗雲が立ち込めてきてしまいました。高い西洋料理に逃げなければいけないのか…。
しかし翌日以降、救世主が現れます。その話は次回。



レストランの裏にいた子供。ガン飛ばされました。



ティンリーからさらにバスで登り続けたところにあるギャツォ・ラという峠。これでギャツォ・ラ山と読むんですかね。どれがギャでどれがツォとかラなんでしょうかね。



標高5245mとネパール〜ラサ間では最も高い位置にやってきたことになります。なぜかボクはさほどではありませんでしたが、周りの人たちはかなり息苦しさを感じていたようです。



夕方、この日の宿泊地であるラツェの街に到着。宿はLha Tse Hotel。ツインルームでしたが、前日同様トイレ共同シャワー無しでした。部屋に置いてあるバケツの水とポットのお湯、そして洗面器を駆使して、洗顔や歯磨きをします。



街をぶらぶらしていたら、少年がアンパンのようなものを食べていました。美味そうなので、店に入って身振り手振りで買ってみたところ…
何にも中身はいっていませんでした(1元、約14円)。
どうやら少年の食べていたのとは違うものだったようです。無念。でもほんのり甘くて美味い。



この日はホテルの食堂でヌードルスープなどの無難な食事を取りました。既にチベット料理恐怖症です。

ラツェは標高4350mとこのツアー中最も高いところでの宿泊地でしたが、やはり暖房設備は無し。いやぁ、寒い寒い。
2枚重ねにした布団にくるまって眠りました。


つづく。

[PON]

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